「この先、ひとりで暮らしていくなら、どのくらいのお金が必要なんだろう?」
40代になると、老後の生活や病気、親の介護など、これまであまり考えてこなかったことが少しずつ現実味を帯びてきます。
特にひとり暮らしの場合、病気や介護などで生活に変化があったとき、家族に頼らず自分で対応しなければならない場面もあります。
だからといって、今から老後のお金を何千万円も準備しなければならないわけではありません。
大切なのは、「将来どんなお金が必要になるのか」を知り、40代のうちから少しずつ準備しておくことです。
この記事では、40代のおひとり様が考えておきたい、
- 老後のお金
- 病気や入院への備え
- 介護にかかるお金
- 住まいの問題
- もしものときの手続き
- 40代からできる具体的な準備
について整理します。
40代のおひとり様がまず考えたい「4つのお金」

40代からの備えというと、老後資金ばかりに目が向きがちです。
しかし、実際には老後を迎えるまでにもさまざまな支出が発生します。
特に考えておきたいのが、次の4つです。
①毎日の生活を守るお金
まず必要なのは、今の生活を守るためのお金です。
病気や失業などで一時的に収入が減っても、すぐに生活が苦しくならないよう、ある程度の現金を確保しておきたいところです。
家賃や住宅費、食費、光熱費、通信費、保険料など、毎月必ず出ていくお金を一度整理してみましょう。
「毎月最低限いくら必要なのか」が分かるだけでも、必要な貯蓄額を考えやすくなります。
②病気や働けなくなったときのお金
40代では、まだ現役で働いている人が多い時期です。
そのため、病気そのものにかかる医療費だけでなく、働けなくなった場合の収入減も考えておく必要があります。
例えば、
- 入院費
- 通院費
- 薬代
- 交通費
- 食事代
- 休職中の生活費
などです。
医療費だけを考えるのではなく、「収入が減ったら生活費をどうするか」まで考えておくと安心です。
③老後に必要なお金
40代から少しずつ準備したいのが老後資金です。
老後に必要な金額は、住んでいる地域や住居費、生活スタイルによって大きく異なります。
そのため、「老後は○○万円必要」と決めつけるより、
老後の生活費-年金=毎月の不足額
という考え方で、自分の場合を計算してみるのがおすすめです。
例えば、老後の生活費が月20万円、年金が月15万円なら、
20万円-15万円=5万円
毎月5万円が不足します。
25年間なら、
5万円×12か月×25年=1,500万円
となります。
もちろん、実際には年金額や生活費、寿命などによって変わります。
「老後2,000万円必要」といった数字だけを見るのではなく、自分の場合はいくら不足するのかを考えることが大切です。
④介護にかかるお金
もうひとつ忘れたくないのが介護です。
介護というと親の介護をイメージするかもしれませんが、自分自身が介護を受ける可能性もあります。
介護が必要になった場合、
- 介護サービスの自己負担
- 住宅改修費
- 福祉用具
- 通院の交通費
- 食費
- 介護施設の費用
など、さまざまなお金が必要になる可能性があります。
40代の段階では細かな金額まで決める必要はありません。
「老後資金とは別に、介護というお金の問題もある」と知っておくことが第一歩です。

おひとり様は「老後資金」だけでなく「生活防衛資金」も大切

老後のお金を準備することも大切ですが、40代ならまずは現在の生活を守るための貯蓄も大切です。
例えば突然、
- 仕事を辞めることになった
- 病気で働けなくなった
- 引っ越しが必要になった
- 家電が壊れた
- 大きな医療費が発生した
ということも考えられます。
こうした予想外の支出に対応するためのお金を、老後資金とは分けて考えておくと管理しやすくなります。
毎月の生活費を確認し、
「最低でも数か月分の生活費を現金で確保する」
というところから始めてもよいでしょう。

年金はいくらもらえる?40代から確認しておきたい

老後のお金を考えるなら、まず自分の年金について知ることも大切です。
「老後になったら年金をもらえる」と漠然と考えるのではなく、
自分の場合、どのくらい受け取れる見込みなのか
を確認してみましょう。
年金の見込み額が分かれば、
「老後の生活費はいくら必要なのか」
「毎月どのくらい不足するのか」
「今からいくら準備すればいいのか」
という計画を立てやすくなります。
40代なら、まだ老後まで時間があります。
早い段階で不足額を知っておけば、貯蓄や資産形成などの方法を検討する時間もあります。
NISAなどを利用して長期的な資産形成を考える

老後資金をすべて預貯金だけで準備する必要はありません。
長期的な資産形成を考えるなら、NISAなどの制度を利用して少額から積み立てる方法もあります。
例えば毎月1万円なら年間12万円。
毎月2万円なら年間24万円です。
最初から大きな金額を投資するのではなく、無理なく続けられる金額から始めることが大切です。
ただし、投資には元本割れのリスクがあります。
生活防衛資金まで投資に回すのではなく、近いうちに使う予定のお金と、長期的に使わないお金を分けて考えましょう。

病気になったとき「誰に頼るか」も考えておく
おひとり様の場合、お金だけではなく「人」の備えも重要です。
例えば入院したとき、
「緊急連絡先は誰にする?」
「手続きが必要になったら誰に相談する?」
といった問題が出てくることがあります。
親や兄弟、親族、友人など、頼れる人がいる場合は、元気なうちに連絡先を整理しておくと安心です。
一方で、「家族に頼るのが難しい」という人もいるでしょう。
その場合は、地域の相談窓口や医療機関、介護サービス、必要に応じて専門家など、家族以外の支援先を知っておくことも大切です。
親の介護も40代から少しずつ考える
40代になると、自分の老後だけでなく親の介護が気になり始める人も増えてきます。
介護が必要になったときに慌てないためにも、
- 親はどこで暮らしているか
- 介護が必要になったら誰が対応するのか
- 兄弟姉妹はいるか
- 親自身はどんな介護を希望しているか
- 介護費用をどうするのか
などを、できる範囲で話しておくと安心です。
特に大切なのは、「親の介護費用を自分がすべて負担する」と最初から決めつけないことです。
親自身の年金や預貯金、公的な介護保険サービスなども含めて、利用できる制度を確認しながら考えていきましょう。
住まいの問題も40代から考えておきたい
おひとり様の老後では、住まいも大きな問題になります。
現在賃貸住宅に住んでいる場合は、
「老後も家賃を払い続けられるか?」
という視点が必要です。
一方、持ち家の場合も、
- 固定資産税
- 修繕費
- リフォーム費用
- バリアフリー化
などの費用がかかります。
40代なら今すぐ住み替える必要はありません。
ただ、「老後はどこで暮らしたいか」を一度考えておくと、住宅費を含めた老後資金の計画を立てやすくなります。
「もしものとき」のために財産を整理しておく

おひとり様の備えで忘れやすいのが、亡くなった後や判断能力が低下したときのことです。
例えば、
- 銀行口座
- 証券口座
- 保険
- 不動産
- クレジットカード
- サブスク
- スマートフォン
- 大切な書類
など、自分しか把握していないものがないか確認してみましょう。
一覧表を作っておくだけでも、いざというときに必要な情報を見つけやすくなります。
エンディングノートは40代からでも早くない
「エンディングノート」というと、終活を始める高齢者が書くものというイメージがあるかもしれません。
でも、40代から始めても決して早すぎません。
例えば、
- 緊急連絡先
- 保険の情報
- 銀行・証券口座
- 大切なもの
- 医療に関する希望
- 葬儀についての希望
- デジタルサービス
などを少しずつ整理しておきます。
一度に完成させる必要はありません。
毎年1回見直すくらいの気持ちで十分です。
40代のおひとり様が今からできる7つのこと

最後に、今すぐ始められることをまとめます。
1.毎月の生活費を把握する
まずは「自分が最低限生活するためにいくら必要なのか」を知ること。
2.生活防衛資金を準備する
病気や失業など、突然の収入減に備えて現金を確保します。
3.年金の見込み額を確認する
老後にどのくらいの収入があるのかを把握します。
4.老後の生活費をざっくり計算する
「月いくら必要なのか」を考えてみましょう。
5.NISAなどの資産形成を検討する
余裕資金の範囲で、長期的な資産形成を考えます。
6.親の介護について話しておく
介護が必要になったときに誰が対応するのか、できる範囲で話し合います。
7.重要な情報を整理する
保険、銀行、証券、住まい、緊急連絡先などを一覧にしておきます。

40代は「老後のためだけ」に生きなくてもいい
おひとり様の将来を考えると、
「老後のためにもっと貯めなければ」
「何千万円も必要なのでは?」
と不安になることもあります。
でも、40代はまだ現役で働き、これからの人生を楽しめる時期でもあります。
大切なのは、今の生活を極端に我慢して老後資金だけを増やすことではありません。
今の暮らしを大切にしながら、将来の不安をひとつずつ減らしていくこと。
そのためには、
「生活防衛資金」
「老後資金」
「病気への備え」
「介護への備え」
「住まい」
「もしものときの手続き」
を一度に完璧に準備するのではなく、できることから少しずつ整えていくことが大切です。
40代から準備を始めれば、まだ時間があります。
まずは今日、「自分はいくらあれば1か月生活できるのか」を確認するところから始めてみませんか。

