「賃貸と持ち家、結局どっちが得なの?」
住宅を購入するか、このまま賃貸に住み続けるかは、多くの家庭が一度は悩む問題です。
特に40代になると、
- 子どもの教育費
- 老後資金
- 住宅ローン
- 固定資産税
- 家の修繕費
- 将来の住み替え
など、住宅費だけではなく家計全体を考えて判断する必要があります。
さらに2026年は、住宅価格や住宅ローン金利を取り巻く環境も変化しています。国土交通省も、住宅ローンを利用する際には金利上昇による返済負担のリスクを理解することが重要だとしています。
そこでこの記事では、40代の家庭が「賃貸」と「持ち家」を選ぶときに考えたいポイントを、
お金・住みやすさ・老後・子育て・資産価値
の5つの視点から比較します。
結論|賃貸と持ち家、どちらが得とは一概に言えない

最初に結論を言うと、
賃貸と持ち家のどちらが必ず得、という答えはありません。
なぜなら、住宅にかかる費用は家賃や住宅ローンだけではないからです。
賃貸のメリット
まずは賃貸住宅のメリットから見ていきましょう。
① ライフスタイルに合わせて引っ越せる
賃貸最大のメリットは、住み替えの自由度です。
例えば、
- 子どもが独立した
- 転職した
- 親の介護が必要になった
- もっと便利な場所に住みたい
- 家が広すぎるようになった
といった場合でも、比較的柔軟に住み替えられます。
40代から先は、仕事や家族構成が変わる可能性もあります。
「今の家が20年後にも最適とは限らない」
と考えるなら、賃貸の柔軟性は大きなメリットです。
② 大きな住宅ローンを抱えなくていい
持ち家では、数千万円単位の住宅ローンを組むケースがあります。
一方、賃貸なら住宅ローンを抱える必要がありません。
そのため、
住宅ローン返済によって家計の自由度が下がることを避けたい人
には向いています。
③ 修繕費を大きく負担しにくい
設備が故障した場合など、基本的には貸主側が対応するケースが多いのも賃貸のメリットです。
持ち家の場合は、
- 給湯器
- 外壁
- 屋根
- エアコン
- 水回り
など、まとまった修繕費が必要になることがあります。
賃貸のデメリット
一方で、賃貸にもデメリットがあります。
① 家賃を払い続ける必要がある
賃貸では、住み続ける限り基本的に家賃が発生します。
例えば家賃10万円なら、
10万円×12か月=120万円
年間120万円です。
10年間なら単純計算で1,200万円。
もちろん、住宅ローンにも利息や維持費があるため、これだけで「賃貸のほうが損」とは言えません。
しかし、老後まで家賃を払い続ける可能性は考えておく必要があります。
② 高齢になると住み替えの選択肢が狭くなる可能性
高齢になると、賃貸住宅への入居で保証人や収入などが問題になる場合があります。
そのため、
「老後も賃貸に住む」
と決めるなら、老後の家賃を含めた資金計画を早めに考えておくことが大切です。
持ち家のメリット
次に持ち家です。
① 住宅ローン完済後は住居費を抑えやすい
住宅ローンを完済すれば、毎月のローン返済はなくなります。
ただし、
- 固定資産税
- 修繕費
- 管理費
- 修繕積立金
などは残るため、
「住宅ローンが終われば住宅費がゼロになる」
わけではありません。
② 自分の資産になる可能性がある
持ち家は、住宅ローンを返済していけば資産として残る可能性があります。
ただし、住宅なら何でも資産価値が維持されるわけではありません。
立地や築年数、建物の状態などによって価値は大きく変わります。
国土交通省も、既存住宅市場では住宅の経年による評価のあり方が課題となっていることを示しています。
そのため、
「家を買えば資産になる」
と単純に考えないことが重要です。
③ 自分好みに住みやすくできる
持ち家なら、
- リフォーム
- 間取り変更
- 壁紙変更
- 庭づくり
- 収納追加
など、賃貸より自由度が高くなります。
子どもがいる家庭では、
「子どもが走っても気を使いにくい」
「収納を増やしたい」
といった希望も実現しやすくなります。
持ち家のデメリット
① 住宅ローン金利上昇のリスク
2026年は、住宅ローンを考えるうえで金利リスクを無視できません。
国土交通省によると、住宅ローン利用者の約8割が変動金利型を利用しており、政策金利の引き上げなどを背景に住宅ローン金利は上昇傾向にあります。
変動金利を選ぶ場合は、
「今の返済額なら大丈夫」
だけで判断しないことが重要です。
金利が上昇した場合でも返済できる家計かを確認しておきましょう。
② 固定資産税や修繕費がかかる
持ち家では、住宅ローン以外にも維持費が必要です。
例えば、
- 固定資産税
- 火災保険
- 地震保険
- 外壁修繕
- 屋根修繕
- 給湯器交換
- エアコン交換
など。
特に戸建て住宅では、築年数が経つほどまとまった修繕費が必要になる可能性があります。
③ 簡単には引っ越せない
賃貸と比べて、持ち家は住み替えのハードルが高くなります。
「駅から遠かった」
「子どもが独立して広すぎる」
「転職して通勤が大変になった」
という場合でも、簡単に住み替えることはできません。
どちらが優れているというより、
「どんな暮らしをしたいか」
によって選択肢が変わります。
40代なら「住宅費」だけで決めない

40代で住宅購入を考えるなら、特に注意したいのが教育費と老後資金です。
例えば、
「住宅ローンを払うために教育費を削る」
「家を買ったためにNISAや老後資金の積立ができない」
という状態になれば、家を買ったことが家計の負担になる可能性があります。
住宅購入では、
住宅費+教育費+生活費+老後資金
をまとめて考えることが重要です。
「買える家」と「無理なく維持できる家」は違う
住宅ローンの審査に通ったからといって、その金額を借りる必要はありません。
大切なのは、
「いくら借りられるか」ではなく「いくらなら無理なく返せるか」
です。
例えば、
- ボーナスが減った
- 教育費が増えた
- 車を買い替えた
- 病気やケガで収入が減った
- 金利が上昇した
といった場合でも、家計を維持できるでしょうか。
住宅ローンを組むときは、余裕を持った返済計画を立てることが大切です。

2026年に住宅を買うなら「金利」を必ず確認
2026年9月のフラット35では、融資率9割以下・新機構団信付きの場合、最頻金利は年2.46%、当初5年間の引下げ終了後は年3.46%となっています。
ただし、実際に適用される金利は金融機関や借入条件によって異なります。
住宅購入を検討するなら、
- 変動金利
- 固定期間選択型
- 全期間固定金利
それぞれの特徴を比較しましょう。
特に変動金利の場合は、
金利が上昇したときの返済額
までシミュレーションしておくことが重要です。

40代で持ち家が向いている人
次のような人は、持ち家を検討しやすいでしょう。
- 今後20年以上住む場所が決まっている
- 子どもの学校や生活環境を変えたくない
- 住宅ローンを無理なく返済できる
- 修繕費を準備できる
- 自分好みの家に住みたい
- 老後の住居を確保しておきたい
特に、
「この地域に長く住みたい」
という意思が強い場合は、持ち家との相性が良くなります。
40代で賃貸が向いている人
一方で、次のような人は賃貸のメリットが大きいでしょう。
- 転勤の可能性がある
- 住む場所をまだ決めていない
- 将来住み替えたい
- 大きな住宅ローンを抱えたくない
- 住宅以外の資産形成を優先したい
- 老後にコンパクトな家へ住み替えたい
「家を買わない=お金を無駄にしている」とは限りません。
住宅購入に使わなかった資金を、
貯蓄・NISA・iDeCoなどの資産形成に回す
という考え方もできます。
住宅購入と資産形成はセットで考える

40代からの家計では、
「家を買うか」
だけではなく、
「家を買った後も資産形成を続けられるか」
を考えてみましょう。
例えば住宅ローン返済後に、
- NISA
- iDeCo
- 預貯金
- 教育資金
などへの積立をまったくできないのであれば、住宅費が家計を圧迫している可能性があります。
住宅は人生最大級の買い物だからこそ、購入後の生活まで考えることが大切です。

住宅購入前に確認したい7つのこと

最後に、購入前にチェックしておきたいポイントをまとめます。
- ① 今後20年以上住む予定がある?
- ② 教育費を払っても住宅ローンを返済できる?
- ③ 金利が上昇しても返済できる?
- ④ 固定資産税を払える?
- ⑤ 修繕費を準備できる?
- ⑥ 老後資金の積立を続けられる?
- ⑦ 売却・住み替えが必要になった場合に対応できる?
この7つに自信を持って「はい」と答えられるか、一度確認してみましょう。
賃貸と持ち家、迷ったら「10年後」を考える
「今の家賃と住宅ローンならどちらが安い?」
だけで決めるのではなく、
10年後の自分たちがどう暮らしていたいか
を考えてみましょう。
例えば、
「子どもが高校生になっている」
「教育費が増えている」
「老後資金を準備している」
「車を買い替えている」
など、現在とは家計の状況が大きく変わっている可能性があります。
住宅選びは、現在の家計だけでなく、未来の家計から逆算することが大切です。

よくある質問(FAQ)
Q. 40代から住宅ローンを組むのは遅い?
いいえ。安定した収入があり、返済計画が無理のない範囲であれば、40代からでも住宅購入は十分に検討できます。ただし、完済年齢や退職後の返済負担は必ず確認しましょう。
Q. 持ち家は本当に資産になりますか?
立地や築年数によって異なります。都市部や人気エリアでは価値を維持しやすい一方、人口減少が進む地域では価格が下がる可能性もあります。「住むための家」と「資産としての家」は分けて考えることが大切です。
Q. NISAと住宅購入はどちらを優先すべき?
生活防衛資金を確保したうえで、住宅購入と資産形成を両立するのが理想です。住宅購入のためにNISAを完全にやめてしまうと、長期的な資産形成の機会を失う可能性があります。
まとめ|賃貸と持ち家は「得」より「暮らし方」で選ぶ
賃貸と持ち家には、それぞれメリットとデメリットがあります。
賃貸向き
自由に住み替えたい・住宅ローンのリスクを避けたい人
持ち家向き
長く住む場所が決まっていて、住宅を資産として残したい人
ただし、40代から住宅を考える場合は、
「家を買えるか」ではなく「家を買った後も家計と資産形成を維持できるか」
が重要です。
住宅ローンだけではなく、
- 教育費
- 老後資金
- 修繕費
- 固定資産税
- 金利上昇
まで含めて考えましょう。
そして、賃貸を選んだとしても、その分の資金を貯蓄や投資に回して資産形成を進めることができます。
賃貸か持ち家かに「絶対的な正解」はありません。
自分たちの家計とライフスタイルに合った住まいを選ぶことが、40代からの暮らしを安定させる第一歩です。

