「教育費も貯めたい。でも、NISAも続けたい」
40代の子育て世帯にとって、この2つをどう両立するかは悩ましい問題です。
教育費はこれからまとまった金額が必要になります。一方、老後資金を考えると、NISAもできるだけ早く始めて長く続けたいところです。
では、限られた家計のお金を、教育費とNISAのどちらに優先して回せばいいのでしょうか?
結論からいうと、「教育費かNISAか」の二択にする必要はありません。
ポイントは、お金を使う時期によって置き場所を分けることです。
この記事では、40代子育て世帯が教育費とNISAをどう振り分ければいいのか、具体的な考え方を紹介します。
教育費とNISAは「目的」が違う

まず理解しておきたいのが、教育費とNISAは同じ目的のお金ではないということです。
教育費は、子どもの進学時期に合わせて使う可能性が高いお金。
一方、NISAは老後資金など、10年、20年先を見据えた長期的な資産形成に向いています。
つまり、
- 数年以内に使うお金 → 預貯金などで確保
- 10年以上先に使うお金 → NISAなどで長期運用
というように分けて考えることが大切です。
NISAは2024年から制度が大きく変わり、非課税保有期間が無期限になりました。また、年間投資枠は最大360万円、非課税保有限度額は1,800万円となっています。
「NISAは早く始めたほうがいい」と言われるのは、長期運用によって時間を味方につけられるからです。
ただし、数年後に使う予定のお金までNISAに入れてしまう必要はありません。

40代なら「教育費を優先すべきケース」が多い

特に子どもが小学校高学年から中学生くらいの場合、大学進学までそれほど時間がありません。
この時期に、
「NISAの資産が増えれば教育費に使おう」
と考えるのは少し危険です。
株式などの投資商品は、必要な時期に必ず値上がりしているとは限らないからです。
例えば、大学入学直前に相場が大きく下落していた場合、教育費として使うために投資商品を売却すると、損失を確定させる可能性があります。
そのため、近い将来に使う教育費は、値動きのない預貯金などで準備するのが基本的な考え方です。

大学費用は「思ったよりまとまった金額」が必要

大学では、入学時にまとまった費用が必要になります。
日本政策金融公庫によると、大学の初年度教育費は、国立大学で81.8万円、公立大学で92.8万円、私立大学では文系118.9万円、理系156.6万円となっています。
もちろん、これ以外にも、
- 受験料
- 受験のための交通費・宿泊費
- 教材費
- パソコン
- 一人暮らしの初期費用
- 家賃
- 仕送り
などが必要になる場合があります。
そのため、「大学の授業料だけ」を教育費として考えるのではなく、進学時に必要になるお金をまとめて考えることが重要です。

「教育費はいくら必要?」を先に計算する
教育費とNISAの配分を決める前に、まずやるべきなのが、
「大学までに教育費をいくら準備する必要があるのか」
を計算することです。
例えば、
現在の教育費の貯蓄が200万円あるとします。
そこに、
- 現在の貯蓄
- これから受け取る児童手当
- 毎月の教育費積立
- ボーナスなどからの追加積立
を加えていきます。
そして、
大学進学までに準備できる金額
を計算します。
ここで目標額に届くのであれば、NISAを無理に減らす必要はありません。
反対に、教育費が明らかに不足するのであれば、まず教育費の積立額を増やすことを検討します。

例えば毎月5万円を貯めるなら?
毎月5万円を教育費とNISAに振り分ける場合、いくつかの考え方があります。
パターン1:教育費を優先
教育費:4万円
NISA:1万円
子どもの大学進学が近く、教育費の準備が不足している家庭向けです。
パターン2:バランス型
教育費:3万円
NISA:2万円
教育費も準備しながら、NISAも継続したい家庭に向いています。
パターン3:NISAを優先
教育費:2万円
NISA:3万円
教育費の貯蓄がすでに十分あり、老後資金の準備が遅れている家庭向けです。
重要なのは、「何万円が正解」ということではありません。
現在の教育費の貯蓄額と、大学までの残り期間によって適切な配分は変わります。

NISAを一度やめるとどうなる?

教育費が足りないからといって、NISAを完全にやめる必要があるとは限りません。
例えば、
「毎月2万円のNISAを1万円に減らして、残り1万円を教育費へ」
という方法もあります。
NISAは、毎月必ず大きな金額を投資しなければならない制度ではありません。
家計に余裕がない時期は投資額を減らし、教育費の目処が立ってから増額するという考え方もできます。
特に40代は、教育費だけでなく住宅関連費、車、保険、老後資金など、さまざまな支出が重なりやすい時期です。
無理をしてNISAを満額にする必要はありません。

「NISAを優先したほうがいい家庭」は?
一方で、教育費を十分に準備できている家庭なら、NISAを優先する考え方もあります。
例えば、
- 教育費として十分な現金がある
- 大学進学までに必要な金額を確保できる見込み
- 生活防衛資金も確保できている
- 毎月の家計に余裕がある
- 老後資金の準備が遅れている
という場合です。
この場合は、余剰資金をNISAに回して長期運用するメリットがあります。
40代は「教育費だけ」に集中するのも注意

教育費を優先するあまり、
「子どもの大学費用を貯め終わるまで投資はしない」
という考え方にも注意が必要です。
40代で教育費だけを優先すると、今度は老後資金の準備が遅れてしまうからです。
子どもの大学進学が終わってから老後資金を準備しようとすると、50代以降に大きな金額を貯めなければならなくなります。
だからこそ、
教育費を現金で準備しながら、NISAも少額で継続する
という方法が現実的です。

教育費とNISAは「同じ財布」にしない
おすすめしたいのが、目的ごとに口座や資産を分ける方法です。
例えば、
教育費
普通預金などで管理。
「大学進学時に使うお金」と明確にします。
NISA
長期的な資産形成として管理。
「老後まで基本的に使わないお金」と考えます。
こうしておくと、
「NISAが増えているから教育費は大丈夫」
「教育費が足りないからNISAを取り崩そう」
という混同を防ぎやすくなります。

教育費とNISA、迷ったらこの順番で考える
迷ったら、次の順番で確認してみましょう。
STEP1:生活防衛資金を確保する
まず、病気や失業、急な支出に備える現金を確保します。

STEP2:大学までに必要な教育費を計算する
子どもの年齢と進学予定から、いつ、いくら必要になるのかを確認します。

STEP3:現在の教育費との差額を計算する
すでに貯まっている金額と、これから貯められる金額を確認します。
STEP4:不足するなら教育費を優先する
毎月の積立額を教育費に多めに振り分けます。
STEP5:余裕があればNISAを継続する
少額でも長期投資を続けます。
この順番なら、「教育費かNISAか」という二択にする必要がありません。
40代子育て世帯は「近いお金」と「遠いお金」を分けよう

教育費とNISA、どちらを優先するべきか。
答えは、お金を使う時期によって変わります。
大学進学が近い子どもの教育費なら、必要な金額を現金で準備することを優先。
一方、10年、20年先の老後資金なら、NISAを使って長期的な資産形成を考える。
つまり、
「教育費を貯めるからNISAをやめる」
でも、
「NISAを優先するから教育費は後回し」
でもありません。
大切なのは、
教育費は教育費、老後資金は老後資金として、それぞれの目的に合った方法で準備することです。
特に40代は、教育費と老後資金を同時に準備する時期。
だからこそ、「余ったお金を投資する」のではなく、家計の中で最初から教育費とNISAの予算を分けておくことが、無理なく資産形成を続けるポイントになります。

まとめ
教育費とNISAで迷ったら、次のように考えてみましょう。
- 数年以内に使う教育費 → 現金中心で準備
- 10年以上先の老後資金 → NISAを活用
- 教育費が不足している → 教育費を優先
- 教育費の目処が立っている → NISAを増額
- 家計が厳しい → NISAを減額してもOK
- 余裕がある → 教育費とNISAを並行する
NISAは長期の資産形成に有効な制度ですが、教育費のように使う時期が決まっているお金まで投資する必要はありません。
「いつ使うお金なのか」を基準に、置き場所を決める。
これが、40代からの教育費とNISAを両立する基本的な考え方です。

