「20代のNISA利用が増えているって本当?」
「若いうちから投資したほうがいいの?」
「NISAを頑張りすぎて、生活が苦しくならない?」
2026年、若い世代の投資への関心の高まりを示すニュースがありました。
金融庁のまとめによると、20代のNISAを使った年間の買い付け額は、2025年に1兆2,648億円となり、NISA制度が始まった2014年と比べて約17倍に増加しました。
30代も2025年の買い付け額が3兆2,866億円となり、2014年と比べて約14倍に拡大しています。
一方で、投資にお金を回しすぎて日々の生活が苦しくなる「NISA貧乏」への注意も必要です。
この記事では、20代のNISA利用が増えている理由と、NISAを無理なく続けるために知っておきたい5つの注意点を解説します。
20代のNISA買い付け額が約17倍に

2025年、20代のNISAを利用した年間買い付け額は1兆2,648億円となりました。
NISA制度が始まった2014年の買い付け額と比べると、約17倍です。
また、NISA口座全体の2025年の買い付け額は18兆7,487億円。
2014年の2兆9,769億円から約6倍に増えています。
特に若い世代の伸びが目立っています。
20代・30代のNISA買い付け額が大きく増加
2025年の買い付け額を見ると、20代だけでなく30代でも大きく増えています。
- 20代:1兆2,648億円
- 30代:3兆2,866億円
若い世代ほど、将来に備えて投資を始める動きが広がっていることが分かります。
なぜ20代のNISA利用が増えている?

なぜ、これほど若い世代の投資が増えているのでしょうか。
大きな理由の一つが、将来のお金に対する不安です。
1.物価高への不安
食品や光熱費、住宅費など、日常生活にかかるお金は上昇しています。
銀行に預金しているだけでは、物価が上昇したときにお金の実質的な価値が目減りする可能性があります。
「貯金だけで大丈夫なのだろうか」と考え、資産運用を始める人が増えていると考えられます。
2.老後の生活への不安
20代にとって老後はまだ先の話です。
しかし、だからこそ長期間にわたって資産形成を考えられるというメリットがあります。
早い時期から少額で積み立てを始めれば、長い運用期間を確保できます。
3.NISAが使いやすくなった
2024年からNISA制度が大きく変わりました。
非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠も拡大。
長期的な資産形成に利用しやすい制度になったことも、投資への関心が高まった理由の一つでしょう。

4.少額から投資を始められる
NISAは、まとまった資金がなければ始められない制度ではありません。
毎月5,000円や1万円など、自分の家計に合わせた金額から投資を始めることもできます。
「投資=一部のお金持ちがするもの」というイメージが変わってきたことも、若い世代の利用拡大につながっていると考えられます。
5.SNSなどで投資情報に触れる機会が増えた
InstagramやYouTube、TikTokなどでも、NISAや投資に関する情報を目にする機会が増えています。
以前よりも投資が身近になった一方で、注意したいのが「他人の投資額と自分を比較すること」です。

NISAは「早く始めれば正解」ではない

20代からNISAを始めることにはメリットがあります。
しかし、
「若いうちに始めるほどいい=できるだけ多く投資すべき」
というわけではありません。
投資で最も大切なのは、生活を圧迫しない範囲で長く続けることです。
ここで注意したいのが「NISA貧乏」です。
「NISA貧乏」とは?

NISA貧乏とは、将来のために投資を頑張りすぎた結果、現在の生活が苦しくなってしまう状態を指す言葉です。
例えば、
「毎月5万円をNISAに入れているけれど、給料日前には口座残高がほとんどない」
「貯金がないのに投資を優先している」
「生活費が足りなくなってクレジットカードを使っている」
このような状態になっているなら、投資額を見直したほうがいいでしょう。

NISA貧乏を防ぐ5つの注意点
注意点1.生活防衛資金を投資に回しすぎない
まず確保したいのが、急な出費に対応するためのお金です。
病気やケガ、失業、家電の故障、引っ越しなど、人生では予定外の支出が発生します。
投資したお金は、必要なタイミングで必ずしも元本以上になっているとは限りません。
そのため、近いうちに使う可能性があるお金まで投資に回すのは避けましょう。

注意点2.「NISAの枠を全部使うこと」を目標にしない
NISAには大きな非課税投資枠があります。
しかし、
「非課税だから、枠を全部使わなければ損」
と考える必要はありません。
家計に余裕がない状態で投資額を増やせば、生活費や貯金が不足する可能性があります。
NISAはあくまで資産形成のための手段。
家計を壊してまで使うものではありません。
注意点3.近いうちに使うお金は投資しない
例えば、
- 1~2年以内に使う教育費
- 車の購入費
- 引っ越し費用
- 住宅関連費
- 生活防衛資金
などです。
こうしたお金は、価格変動のある投資商品ではなく、基本的には現金などで確保しておくほうが安心です。

注意点4.SNSの「資産○千万円」に惑わされない
SNSでは、
「20代で資産1,000万円」
「NISAで毎月10万円積立」
といった情報を目にすることがあります。
しかし、他人と自分では、
- 収入
- 家賃
- 家族構成
- 貯金
- 奨学金
- 住宅費
- 親からの援助
などが違います。
大切なのは、他人と同じ金額を投資することではありません。
自分の家計に無理のない金額を設定することです。
注意点5.投資額より「家計の黒字」を優先する
毎月の収入から生活費を引いて、ほとんどお金が残らない。
その状態でNISAの積立額だけを増やしても、家計は安定しません。
まずは、
収入-生活費=黒字
という状態を作ることが大切です。
投資は、その黒字の中から無理なく続けられる金額で行いましょう。
20代と40代ではNISAの考え方も違う

20代のNISA利用が増えているからといって、40代も同じ投資方法を取る必要はありません。
20代には「長い運用期間」という大きな武器があります。
一方、40代になると、
- 子どもの教育費
- 住宅費
- 老後資金
- 車の買い替え
- 親の介護
- 生活防衛資金
など、これから必要になるお金が増えてきます。
そのため、40代では「投資額を増やすこと」だけでなく、使う予定のお金と投資するお金を分けることがより重要になります。

NISAは「いくら入れるか」より「無理なく続けられるか」
例えば毎月のNISA積立額を考えるときは、次のように考えてみましょう。
| 毎月の積立額 | 年間の投資額 |
|---|---|
| 5,000円 | 6万円 |
| 1万円 | 12万円 |
| 2万円 | 24万円 |
| 3万円 | 36万円 |
| 5万円 | 60万円 |
重要なのは、金額の大きさではありません。
毎月5万円を投資して生活が苦しくなるより、毎月1万円を無理なく10年、20年と続けられるほうが、その人にとっては適切な場合もあります。

NISAは「将来の安心」と「今の生活」のバランスが大切
20代のNISA買い付け額が約17倍になったことは、若い世代の資産形成への関心が高まっていることを示すニュースです。
早い時期から長期的な資産形成を考えることには、大きな意味があります。
ただし、NISAは「たくさん投資した人が勝ち」という制度ではありません。
大切なのは、
生活を守るお金を確保する
↓
近いうちに使うお金を分ける
↓
余裕資金でNISAを活用する
という順番です。
「NISAの枠を埋めること」よりも、「NISAを続けても家計が苦しくならないこと」を優先しましょう。
投資は、将来のために大切な選択肢の一つです。
だからこそ、今の暮らしを犠牲にしない資産形成を意識することが大切です。

