「NISAを始めるならオルカンとS&P500、どちらがいい?」
投資を始めた40代の人なら、一度は迷うのではないでしょうか。
2026年7月の投資信託の純流入額を見ると、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)、通称「オルカン」への資金流入が約4465億円となり、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の約2171億円を大きく上回りました。
単純計算で、オルカンへの純流入額はS&P500の約2倍です。
さらに、オルカンは新NISA開始後に保有者数を大きく伸ばしています。
では、なぜ今オルカンを選ぶ人が増えているのでしょうか。
そして、40代の子育て世帯は、人気だけを理由にオルカンを選んでよいのでしょうか。
この記事では、オルカンとS&P500の違いを整理しながら、40代がNISAで投資するときの考え方を解説します。
2026年7月、オルカンへの資金流入がS&P500の約2倍に

2026年7月の投資信託の純流入額ランキングでは、オルカンが約4465億円、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が約2171億円となりました。
オルカンへの純流入額は、S&P500のおよそ2倍です。
両方ともNISAのつみたて投資で人気の高いインデックスファンドですが、最近はオルカンを選ぶ投資家が増えていることが分かります。
ただし、ここで注意したいのが、
「オルカンのほうが人気だから、S&P500より優れている」
という意味ではないことです。
両者はそもそも投資する範囲が違います。

オルカンとS&P500の最大の違いは「投資する地域」

簡単に言えば、
- オルカン=世界全体に分散
- S&P500=米国に集中
という違いがあります。
オルカンは世界の株式に分散
オルカンは、先進国や新興国を含む世界の株式に投資するインデックスファンドです。
「将来、どの国が成長するのか分からない」
という人でも、世界全体に投資することで特定の国に賭けすぎない運用を目指せます。
ただし、「世界に均等に投資する」わけではありません。
2026年4月末時点の資産構成では、米国が約63%を占めています。日本は約5%、英国約3.4%、カナダ約2.8%などとなっています。
つまり、
オルカンを買っても、米国株への投資はかなり大きい
という点は知っておきましょう。
S&P500は米国の主要企業に投資
一方、S&P500は米国の代表的な企業500社で構成される指数です。
米国経済や米国企業の成長を強く期待するなら、S&P500は非常に分かりやすい選択肢です。
ただし、米国市場への集中度が高いため、米国株の影響を強く受けます。
また、米国株式型のファンドは原則として為替ヘッジを行わないため、円とドルの為替変動の影響も受けます。

なぜオルカンの人気が高まっているの?

理由の一つとして考えられるのが、「一つの商品で世界に分散できる」という分かりやすさです。
40代になると、投資だけに全力を注ぐわけにはいきません。
子どもの教育費、住宅、車、生活防衛資金、老後資金など、同時に考えなければならないお金が増えてきます。
そんな中で、
「米国が今後も成長するか?」
「中国やインドはどうなる?」
「日本株は?」
と国ごとの将来を予測するのは簡単ではありません。
そこで、
「世界全体に投資して、長期的な成長を待つ」
という考え方が支持されやすくなっていると考えられます。

新NISAでオルカンの保有者が急増

オルカンの人気は資金流入額だけではありません。
三菱UFJアセットマネジメントによると、主要ネット証券5社へのヒアリングをもとにした推計で、オルカンの保有者数は2025年12月末時点で約567万人。
新NISA開始前の2023年12月末の約255万人から、およそ2.2倍に増えました。
一方、S&P500の保有者数も約308万人から約540万人へ増加しています。
つまり、
S&P500も非常に人気が高い。ただ、オルカンの伸びが特に大きい
というのが実態です。
「オルカンが人気=オルカンを買うべき」ではない
ここは40代の投資初心者が特に注意したいポイントです。
投資では、
「みんなが買っているから」
「SNSでおすすめされていたから」
「ランキング1位だから」
という理由だけで商品を選ぶのはおすすめできません。
オルカンも株式に投資する商品です。
株式市場が大きく下落すれば、当然ながら基準価額も下落します。
オルカンは「世界に分散しているから元本割れしない商品」ではありません。
ここを勘違いしてはいけません。

40代なら「投資できるお金」をまず確認

特に40代子育て世帯の場合、NISAを始める前に確認したいのが生活防衛資金です。
例えば、
- 毎月の生活費
- 子どもの教育費
- 車の買い替え費用
- 住宅関連費
- 税金
- 急な病気やケガ
- 収入が減ったときの生活費
など、近い将来使う可能性があるお金があります。
これらのお金までNISAに入れてしまうと、相場が下落したときに、
「今お金が必要なのに、投資資産が値下がりしている」
という状況になる可能性があります。
したがって、40代では、
「投資する商品」より先に「投資しても困らないお金」を決める
ことが大切です。

オルカンとS&P500、どちらを選ぶ?

大まかに考えると、次のように整理できます。
| こんな人 | 向いている考え方 |
|---|---|
| 世界全体に分散したい | オルカン |
| 米国企業の成長を強く期待している | S&P500 |
| 投資先の国を自分で判断したくない | オルカン |
| 米国市場に集中して投資したい | S&P500 |
| できるだけシンプルに長期投資したい | どちらも候補 |
| 「人気だから」という理由だけで選びそう | いったん立ち止まる |
もちろん、どちらが正解というものではありません。
大切なのは、
自分がどの程度のリスクを取れるのか
を考えることです。

40代は「リターン」だけでなく「続けられるか」を重視
40代から投資を始めると、老後までまだ時間があります。
そのため長期投資との相性はありますが、同時に教育費などの大きな支出も近づいています。
例えば、子どもが小学生なら、
「大学進学まであと何年あるか」
を考えておく必要があります。
10年以上使う予定のない老後資金と、数年後に必要になる大学進学費用を、同じように株式投資へ回す必要はありません。
大切なのは、
お金を使う時期によって置き場所を分けること
です。
近いうちに使うお金
預貯金など、値下がりしにくい場所へ。
10年以上使わない可能性が高いお金
NISAなどを利用した長期投資を検討。
このように「時間」でお金を分けると、相場が下落したときにも慌てにくくなります。

「オルカンかS&P500か」より大切なこと
NISAを始めると、
「オルカンとS&P500、どっち?」
という商品選びに目が向きがちです。
しかし、40代の家庭にとっては、それ以上に重要なことがあります。
それは、
「投資に回しすぎないこと」
です。
NISAは税制上のメリットがある便利な制度ですが、NISAそのものが資産を守ってくれるわけではありません。
株式市場が下落すれば、NISAで保有している資産も値下がりします。
だからこそ、
生活防衛資金 → 近い将来の支出 → 長期投資
という順番で考えてみましょう。

人気ランキングは「参考資料」として使う
2026年7月のデータを見ると、オルカンへの資金流入はS&P500の約2倍でした。
これは「オルカンを選ぶ人が増えている」という重要な変化です。
しかし、投資信託のランキングは、
「人気商品ランキング」であって、「あなたにとっての正解ランキング」ではありません。
オルカンを選ぶ人もいれば、S&P500を選ぶ人もいます。
さらに、どちらも選ばず、預貯金を優先する時期があっても問題ありません。
40代の資産形成では、
「一番人気の商品を買う」より「自分の家計に無理のない金額で、長く続けられる仕組みを作る」
ことのほうが重要です。

まとめ|オルカン人気に流されず、自分の家計で考えよう
2026年7月は、オルカンの純流入額が約4465億円となり、S&P500の約2171億円の約2倍になりました。
新NISA開始後、オルカンの保有者数も大きく増えています。
その背景には、
- 世界全体に分散できる
- 米国以外の国にも投資できる
- 一つの商品で幅広く分散できる
- 長期投資の商品として分かりやすい
といった特徴があります。
一方で、オルカンも株式100%の投資信託であり、値下がりする可能性があります。
40代の子育て世帯なら、人気だけで商品を決めるのではなく、
「いつ使うお金なのか」
「いくらまでなら投資できるのか」
「値下がりしても持ち続けられるのか」
を考えることが大切です。
オルカンとS&P500。
どちらが優れているかを決めるより、自分の家計にどちらが合っているのかを考える。
それが、40代からのNISAを無理なく続けるための第一歩です。
※本記事は投資を勧誘するものではなく、資産形成について考えるための情報提供を目的としています。投資信託には元本割れのリスクがあります。商品の購入・売却は、ご自身の判断と責任で行ってください。

